映画「シサㇺ」をP.I.C.S.にて制作、監督を中尾浩之が務めました。
「シサㇺ」は、壮大な歴史スペクタクル映画として、アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマが描かれた作品です。
<蝦夷地>と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなっていた史実が基になっています。本作は、町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えの下、アイヌと和人が共生してきたという認識をもつ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで、町からの全面支援・協力のもと製作されました。
北海道の大自然をバックに、激動の歴史の渦に巻き込まれた武家の若者が異なる文化や風習に触れ、それらを理解することによって己の人生を見つめ直していく本作。
過去の歴史を描いた作品でありながら、現代に通じる社会問題を訴求させ、今の時代に観るべき感動の一大叙事詩となっています。
ーSTORYー
江戸時代前期。北海道の南西部にある松前藩はアイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩藩士の息子、孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助(三浦貴大)とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていた。そんな孝二郎に師範の大川(緒形直人)は、蝦夷で不穏な動きがあることに対して警戒するようアドバイスする。やがて孝二郎は、母(富田靖子)と栄之助の許婚・ミツ(古川琴音)を郷里に残し、高坂家の使用人である善助(和田正人)を伴って、蝦夷のシラヌカへと旅立つのだが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は善助に殺害される。兄の敵討ちを誓い善助を追って森の奥深くへと向かった孝二郎だったが、脇腹を刺され負傷してしまう。瀕死の状態だった孝二郎だったが、アイヌの人に救われ一命をとりとめる。暗い過去を背負うアイヌの女性・リキアンノ(サヘル・ローズ)、和人に反発心を抱くアイヌの青年・シカヌサシ(坂東龍太)、交易の鍵を握る重要な人物・平助(要潤)などと出会い、和人とアイヌの間の溝を知る孝二郎。和人とアイヌの間で揺れる孝二郎がみ見つける道とは-。