TOKYO PROJECTON MAPPING AWARD VOL.0

東京プロジェクションマッピングアワード vol.0

若手クリエイターの登竜門!プロジェクションマッピングのアワード開催

Released / OOH

若手クリエイターを対象とした 映像制作の登竜門「東京プロジェクションマッピングアワード vol.0」を、3月26日に東京ビッグサイトで開催しました。
同アワードは、映像産業と共に歩んできたイマジカ・ロボットグループが、人材育成を通してコンテンツ産業の発展に寄与すること、また、東京オリンピック・パラリン ピック競技大会開催に向けて、日本のコンテンツ制作力を引き上げ、海外でのCOOL JAPANブランドの向上に貢献することを目的として設立されたものです。

当日は「AnimeJapan(アニメジャパン)2016」の開催もあり、同アワー ドへの一般来場者は1,194人とにぎわいのあるイベントとなりました。今 回はプレ開催という位置付けで、関東の美術大学やデザイン・CGを学ぶ 大学、専門学校の7校9チームが参加。エントリーから約3カ月間、弊社制作支援の下、「未来ミライ」をテーマに約3分間の映像コンテンツを制作し、東京ビッグサイトの会議棟壁面にて上映しました。

上映会後は場所を移して、表彰式と懇親会を実施。審査員の5人が、エンターテインメント性や技術などの観点から審査し、最優秀賞1作品、優秀賞2作品を選出し表彰を行いました。

【開催概要】
名称:東京プロジェクションマッピングアワード vol.0
日時:2016年3月26日(土) 18:00開場
場所:東京ビッグサイト会議棟前広場にて上映
上映会:18:30〜19:30
表彰式:20:00〜21:00
主催:(株)ピクス、(株)イマジカデジタルスケープ
協賛:(株)東京ビッグサイト、(株)イマジカ・ロボット ホールディングス、オートデスク(株)

■ 公式WEBサイト
http://pmaward.jp/

公式Youtubeチャンネル
※こちらで全作品の映像、イベント記録映像をご覧頂けます。

■ 参加チーム
首都⼤学東京、芝浦工業大学、多摩美術大学、宝塚大学、デジタルハリウッド大学、日本電子専門学校、日本工学院八王子専門学校

■ 審査員
・阿部秀司(阿部秀司事務所 代表取締役・映画プロデューサー)
・森山朋絵(キュレーター / 東京都現代美術館学芸員)
・スプツニ子!(現代美術家 / MITメディアラボ助教)
・森内大輔(クリエイティブ・ディレクター / プロデューサー / デザイナー)
・橋本大佑(映像作家 / アニメーション作家)

《メディア掲載》
・美大生の総合情報メディア「PARTNER」
プロジェクションマッピングは果たして本当に「オワコン」か?

・CG・映像の専門情報サイト「CG WORLD.jp」
イベントレポート
主催者インタビュー

・カルチャー・クリエイティブ系WEBマガジン「CINRA.NET」
映像のプロフェッショナルたちに訊く『紅白』の進化と空間映像史

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Client

© P.I.C.S. / IMAGICA DIGITALSCAPE

P.I.C.S. Member

Website

https://pmaward.jp/

Credit

Organization: P.I.C.S. , IMAGICA DEGITALSCAPE

Services

留学生から見た日本のクリエイティブ

大学院でプロジェクションマッピングの研究をしているという、メキシコからの留学生・マリアナさんに、イベントの様子や日本の若手クリエイターたちの奮闘ぶりをレポートにまとめてもらいました。前日の準備から上映会・表彰式当日までの模様をお届けします。



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こんにちは、私の名前はマリアナ・マーニャといいます。
メキシコ人のグラフィックデザイナーで、現在は東京在住、武蔵野美術大学大学院に留学中です。

私が研究しているのは3Dプロジェクションマッピングの可能性について。アート、エンターテインメント、そして技術の融合によって表現される映像演出が投影対象物を全く別のものに変えてしまう面白さについて学んでいます。

日本が生み出すクリエイティブの強さは私の人生に大きな影響を与えてきました。今、東京に住み、日本の文化に浸かる、これからプロフェッショナルの世界で戦わなければいけない私にとってはまたとない環境です。

アワードについて

3月下旬、私は「東京プロジェクションマッピングアワード」(以下、東京PMA)に参加しました。このイベントは学生自らが制作したプロジェクションマッピング作品を上映できる機会を作り、若手クリエイターを育てていくのが目的とのこと。東京・有明にある東京ビッグサイトで行われました。イベントは多くの観客が参加し大変素晴らしいものでした!私がこのイベントで体験したことをぜひ皆さんにお伝えしたいと思います。

このコンテストは実にワクワクするものでした!プロジェクションマッピング作品のコンテスト自体は特に珍しいものではないかもしれませんが、学生たちは思う存分に創造性を発揮して巨大壁面に投影する作品制作をしていました。こんなチャンスが与えられるなんてほんとうに羨ましい!

このイベントを通して感じたのは、このコンテストに参加した学生たちが、プロジェクションマッピングというメディアに挑戦することで得られたものの大きさです。映像制作だけでなく、プロジェクションマッピングがパワフルなコミュニケーションツールであることを実感できたのではないでしょうか。特に私の母国で本格的に映像制作について学び始めた学生に、ぜひチャレンジしてもらいたいコンテストだと思いました。

日本に留学する約3年前、当時通っていた大学(University of Guanajuato)で教授や友人とプロジェクションマッピングに挑戦したことがあります。基本技術のみ学んで作ったとてもシンプルな(ある意味ダサい)作品でしたが、大学初のマッピング作品として注目されました。当時メキシコではプロジェクションマッピングについて知っている学生や先生はほとんどいなかったんです。もしあの当時、今回のようなコンテストで作品制作に挑戦するチャンスがあれば、得られる知識・技術は格段に違っていたように思います。

今はメキシコでもプロジェクションマッピングイベントは人気です。
下記のリンクは最近話題になったマッピングで、ミステリアスな演出が話題を呼びました。

▷https://www.youtube.com/watch?v=IZfdhpt3aDo

上映会の前に

さてここからは、東京プロジェクションマッピングアワードの裏側をレポートします。
イベントの成功の裏には綿密な実行計画と担当者の奮闘がありました。

イベント前日、準備のためにスタッフが会場である東京ビッグサイトに集合。上映会場と審査や表彰式の会場が離れているため、まずは動線確認。スムーズに短時間で移動するにはどのルートが最適か、何度も往復して確認していました。
ただ映像作品の上映だけ上手く行けばよいではなく、参加する学生や学校関係者、審査員、プレスの人たちがどの場面でもストレスなく過ごせるようにと準備をしていたのが印象的でした。私が日本で日々感心するこころ配り「ここにあり」です。準備に励む事務局スタッフも時々笑ったり冗談を言い合ったり、イベントを成功させるためにベクトルが同じ方向を向いているからこそのチームワークだと思いました。

さてイベント当日、受付の設置、表彰式会場や審査ルームの設営等々が進んでいます。多数の関係者がやってくるのでネームタグを区別するだけでも大変です。スタッフはトランシーバーを装着し、いよいよ始まるぞと言う緊張感が漂い始めます。
ぞくぞくとチームメンバーが到着し、控え室でスタッフから細かい説明を受けます。緊張しているでしょうが、笑い声も飛び交い楽しそうです。今回参加したのは7校9チーム。東京近郊の大学や専門学校の学生さんたちです。
メディア関係者も揃い、撮影準備が整うと、上映の前に各参加チームが写真撮影やインタビューに応じています。審査員5名の方々は、それぞれの分野で素晴らしいキャリアと実績を誇る人たちばかり。学生たちにとっては憧れの存在だし、的確なアドバイスを貰えるのだとすれば羨ましい限りです。

いよいよ作品上映!

夕方6時半、いよいよ上映が始まります。東京ビッグサイト会議棟の前に集合しスタンバイ。それにしても寒い日でした。審査員にはブランケットやベンチコートを配られましたが学生には使い捨てカイロだけ(このカイロは日本の素晴らしい発明の一つですね)。緊張からか寒さも忘れているようです。
各チームが作品のコンセプトを簡単に説明してから上映です。鮮やかな映像とポップな音楽に彩られ、東京ビッグサイト会議棟壁面がまるで生き物のように動いて見えます。すごい!

作品を見ていると、プロジェクションマッピング作品を制作するために必要なのは技術知識だけでなく、上映時にどれだけ多くの観客を魅了できるのかを考え、チームとして最高のクリエイティビティーを発揮することがとても大切であることが分かりました。素晴らしい作品揃いで、その意味ではどのチームも大成功だったのではないかと感じました。

全チームの作品上映が終わり、私なりにプロジェクションマッピングについて理解できたことを少し書いてみます。
プロジェクションマッピング作品として最も大切なのはコンセプトメイキングです。映像、音楽と投影対象物(今回は会議棟壁面)が一体化して、どれだけ観客を映像の世界に引き込めるかが全てなのだと分かりました。

プロジェクションマッピングとは単なる映像プロジェクションではないということ。投影対象物は単なるスクリーンの役割をしているのではなく映像作品の主役であるということ。別の言い方をすれば、投影用の映像を制作する前に投影対象物の特徴を捉え、それを生き物のように蘇らせることができるかじっくり考える必要があります。壁面に命を吹き込めるかどうかはコンセプトメイキング次第だと思いました。

プロジェクションマッピング用映像制作に必要な技術は、CG制作ソフトの使い方をマスターしておくこと。当たり前ですが、ソフトウェアをいかに使いこなせるかでクオリティが全く異なります。しかしソフトウェアは表現したい世界を映像にしてくれる単なる道具でしかないんですね。そのことは忘れてはいけないと思います。

受賞作の発表

そしていよいよ受賞作の発表。入賞チームの名前が記されたフォルダーを持った審査員がステージに上がります。受賞会場の興奮もピークに。誰もがあの巨大な壁面に自分たちの作品が投影された余韻に浸りながら、発表を待っています。みんな凄かったね!良く頑張ったね!と声をかけたくなりました。

全9作品はこちらでぜひご覧ください。
▷http://cgworld.jp/feature/1604-pmaward-report.html

今回は最優秀賞1チーム、優秀賞2チームが選ばれました。
エントリー作品は、どれも創意工夫があり、新しい表現の試みがありました。コンセプトにも日本の伝統芸能、家族、世代を超えた絆などが盛り込まれ「輝く未来」に向けたメッセージが伝わってくる作品がいくつもありました。また表現技術も素晴らしく、短期間の制作をチームワークでカバーした努力も見えました。

審査員のコメントで印象に残ったものを記します。
プロジェクションマッピングが単なる一時的な流行に終わらないように、若いクリエイターを励まし、刺激するコメントとして私の脳裏に残っています。

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プロジェクションマッピングはある場所、ある特定の時間にのみ行われるライブイベントで、それに参加した人たちが感動を共有し合えます。(録画すれば)いつでも、どこででも見られるテレビ番組とはまったく違う映像体験だと思います。
(審査員・森内大輔)


プロジェクションマッピングはメッセージを伝えることができるエンターテインメントの一つの形であり、人はそれぞれに想い・考えなどのメッセージを受け取ります。それはアーティストと観客が多分野にまたがってコラボレーションできる理想的な場所ではないかと思います。
(審査員・森山朋絵)

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授賞式の後には参加者・関係者が集うパーティーが開かれました。会議棟最上階のレストランでは美味しいイタリアンフードとワインが並び、参加全チームの努力を称え、また入賞チームを祝う華やかなパーティーでした。

まとめ

学生たちにプロジェクションマッピングというメディアを使って作品発表の場が与えられる、素晴らしいことだと思います。今回は東京近郊の学校からの参加でしたが、次回は日本全国そして海外からもエントリーできるとのこと。プロジェクションマッピングが集客のためのエンターテインメントイベントに限られることなく、新しいアート表現のメディアになると実感しました。

3Dプロジェクションマッピングは、多くの人とコミュニケーションし、想いを共有できるメディアとしてまだまだ発展できる表現手段だと思いました。伝統的な建造物や遺跡が、世代を超えて新しい映像で彩られていく、3Dプロジェクションマッピングによる表現の可能性は無限ではないでしょうか。

次回のコンテストは2016年12月開催、お楽しみに!